11月2011

スズキGSR400イモビ合鍵

スズキ4Dクローンキーほぼ新車のsuzukiGSR400、イモビライザーの合鍵作成、お客さんがバイクに乗って来られました。suzukiバイクの4Dは初めてです。JMAのスズキmotor用ブランクだと、純正キーに比べて首が少し長い。イグニションアンテナからの電波が届かない可能性があります。texas CRYPTOチップはデータの一部が暗号化されています。データコピーが上手くいかず、四苦八苦しました。さらにデータをコピーしただけでは、メーターパネルでイモビマークの点滅が消えません。PC接続してソフトウェアを立ち上げ、ようやく上手く機能させる操作がわかりました。海外製クローニングマシンで、日本に代理店もないと、こういうときに不安になります。
GSR400イモビライザーさて、相変わらず閑古鳥が鳴いています。開業時に比べると、本当に「聞くだけ」電話が増えました。料金聞くだけ、到着時間を聞くだけ、あちこちに電話して比較するのは、もう当たり前。単なる情報収集目的の電話も増えているでしょう。かつては1件の仕事を取るのに、体感的には電話が2本必要だったと記憶しています。現在は電話が5本は必要です。それから、若い人の日本語に違和感を感じることが多くなりました。「カギ開けとかってやってもらったり出来るんですか?」「無料見積もりとかって、出来たりしますか?」この「とか」に何か意味があるんでしょうか?とても回りくどいと感じる表現が増えています。通常の会話においても、ダイレクトに表現することを憚る傾向が強くなっている印象を受けます。

ディンプル玉座交換at日野

SHOWA IS日野市、戸建玄関ドアの玉座交換。実は1年前にも、このお宅でディンプル玉座GMD-500を交換しています。今回はカギを長時間挿しっぱなしにしたのが交換理由です。カギを盗難されたわけではないけど不安だそうです。今回も同じくAGENT GMD-500で交換することになりました。ケースはSHOWA IS、玉座の2本脚が上下になるタイプで、ピッチ50です。2本脚をセットして錠ケースに入れようとしても上手くいかない。なぜ??新品ローズの2本脚ピッチを測ったら51。製品不良です。
玉座ローズ現在付いているローズを移植して、事なきを得ました。通常はピッチ44を使うことがほとんどなので、50の2本脚のピッチずれに気づくことはないでしょう。他社玉座が付いていたら、ケースの穴をちょい削ることになっていたでしょう。これらの玉座は日本製でも、いまや多くがmade in chinaです。さすがシナクオリティ、と納得すると同時に、やはり二流メーカーなのかな、と取り扱い継続を考えてしまう場面でした。

crown金庫ダイヤル解読

crown業務用金庫奥多摩の入り口あたり、なんと築400年という見事な古民家での金庫ダイヤル解錠依頼が入りました。古民家に到着した瞬間、少年時代にタイムトリップした錯覚に陥ります。少年時代に訪れた亡き祖父の家の光景が脳裏で甦ってきたからです。当初伺った内容は「鍵が回らない、高さが50cmくらい」ですが、2回目のお話では「鍵は回る、金庫の高さはもっとある」となります。鍵が回る、回らないの違いは大きい。業務用で間違いないだろうと判断して工具類を車載します。73年製crown業務用金庫、先日鍵屋のマー坊さんに頂いたオートダイヤラーがついに活躍します。セッティングに時間がかかりました。慣れが必要ですね。
金庫オートダイヤラーあとはコンピュータまかせでジージーガラガラ音が響きます。金庫が置いてある部屋の鴨居には、いろんな神社のお札がびっしり、仏間に掛け軸もあります。地元の神社からの感謝状の額縁も多く飾られています。亡くなられたお爺さんは、いわゆる地元の名士だったようですね。八百万の神々に見守られながら、ダイヤル解読作業が完了しました。親族のご希望により、わかりやすいダイヤル番号に無料で変更します。3時間弱の待ち時間中、懐かしの掘り炬燵でお食事まで頂きました。ありがとうございます。

FITレッカー作業見物at八王子

ホンダ フィットロードサービスから聞いたトラブル状況は「インロック」のみです。HONDA FIT新車、オーナーのおじさんは鍵を持っているじゃないか。リモコンが効かず、いつも乗り込んでいる助手席ドアが開かない状態です。高年式車は、運転席ドア以外に鍵穴がないのが当然になってきています。で、運転席ドアは壁にべったり、10cm程度しか開かず、人間が入り込むことは出来ません。最近、オペレータからの状況連絡が適当なケースが多くなっています。おじさんは、ちゃんと状況を保険会社に伝えたと言います。どこで伝達情報が抜け落ちたのか、がっくりするのは現場で作業する側です。まずは運転席ドアにタオルをあてがい養生します。ドア塗装に傷を付けたら売上の数倍もの弁償になります。運転席ドア隙間から助手席ロックボタンを倒す作業を開始します。数分後、レッカー業者が到着しました。これも私は聞いていない。レッカー屋さん、ジャッキアップして移動させるために来たそうです。最悪コンピュータ故障も考えて、ディーラーまで運ぶかも知れないらしい。この時点でモチベーション0になったので、ジャッキアップ作業の見学を行います。
ジャッキアップ前輪を台車に乗せて、車体を左に方向転換します。ちゃんと運転席ドアを開けられるようになりました。作業員が車内に入り、確認します。「スモールが点きっぱなしですね・・・」。おじさん、「そういや、昨日夜に使ったな・・・・」単なるバッテリー上がりでも、レッカー屋さんが出動することが今後増えるのでしょう。従来どおり助手席に鍵穴があれば、お客さん自身で車内に乗り込み、原因がわかったはずです。知り合いにジャンピングしてもらえば、ロードサービスを手配する事案自体発生しなかったわけです。メーカーは行き過ぎたセキュリティ対策をカバーするべく、24時間365日出動する体制を作るべきじゃないのか、なんて思います。理由がわからないダブルブッキングでカギスターが出動した意味はありませんでした。

原付鍵作と就職相談at立川

横倒しスクーター立川駅南口近くの駐輪場、数台の自転車・バイクが将棋倒しになっています。倒れた自転車を起こし、お客さんのスクーターを移動させます。横倒しのスクーターも起こそうとすると、セキュリティアラームが発報。うるさいので後回しにします。honda Dioの鍵作製、作業中通りがかった心優しきサラリーマンも横倒しのスクーターを起こそうとしていました。やはりアラームにびっくりしてやめました。鍵作製は5分で完了、珍しくシャッターキー作成も依頼となりました。シャッターキーがなくても、誰でもシャッターを閉めることができるタイプです。そうでなければ依頼にならなかったでしょう。
ホンダDio美少年のまじめな学生さん、鍵屋の仕事に結構興味を持っています。来春卒業なのに、就職先が決まらない、職人的な仕事も候補に入れたい旨の話が出てきます。若い人は本当にかわいそうな時代です。大学を出ても時給800円のフリーターも多い時代、経済的に自立するのは厳しい。仕事は単なる経済行為ではありません。仕事がなければ、自分の社会的存在意義を感じにくくなり、人間的成長の機会にも恵まれない。鍵屋の仕事内容やら、私の独立経緯などをお話します。他の職人仕事と違い、給料を貰いながら、経験を積むという場がほぼない仕事です。だから、未経験で独立するケースがほとんどじゃないでしょうか。だから私は数年間深夜のバイトで食いつないで、底辺を這いずり回りました。しかも一人で完結する孤独な商売なので、心情を共有できる人もいない。開業同期組のほとんどは、経済的にあるいは精神的に折れました。ほとんどの鍵屋は自営レベルで、雇用を生むほどの市場はありません。しかも今後はカギ業界にも明るい兆しはありません。鍵屋に興味があるとしても、まずは社会人経験を積まなければいけないよ、と伝えます。職人的な仕事が好きなら、きちんと雇用してもらえる職種を選んだ方がいい。職人としての技術ベースは、鍵屋に転向したときも活かされるよ。うーん、就職相談の時間の方が断然長い現場となりました。

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