5月2010

ATOMサムラッチ錠鍵作成

ATOMサムラッチ
古い戸建の競売物件です。リフォームが完了して転売する段階で、鍵をなくしてしまったようです。築年数が古いだけあって、廃盤の
ATOMサムラッチ錠が付いています。ディスクシリンダーなので、MIWA同様クラッチ機構を考慮した解錠を行います。さて、交換するとなると、錠前セットで加工も必要となります。キーシリンダー部分のみの交換が出来る場合に比べて金額が3倍以上となります。
ディスクシリンダー
不動産屋さんの要求はいつも安く解決することなので、鍵作製を行うこととなります。ATOMのブランクなんて持っていないので、困りましたが、MIWAディスク用のブランクがフィットするので安心。苦労してシリンダーを取り外しましたが、お尻を見ると分解できないようです。いや、かしめた部分を剥がして元に戻すことは可能でしょうが、相当な手間がかかるでしょう。鍵穴から覗きとインプで作成しました。

室内錠の鍵作成

シリンダー付間仕切錠
現場はNPOの新築宿舎のようです。室内の鍵をなくしたので、鍵を作成してほしいとのこと。在庫しているシリンダー付き間仕切り錠ならセットで交換できますが、他の部屋の錠と見た目が変わってしまいます。間仕切り錠は、シリンダーのみの取り寄せができないので、交換となると玄関シリンダーよりも割高になると思います。
WESTピンシリンダー
刻印が見当たらないので、OEM製品でしょう。とりあえずシリンダー部分を外して、車に持って行きます。キーウェイを見るとWESTかなと思ったら、そのとおりでした。どうやらシリンダー自体が分解できないようです。3ピンとはいえ、インプレッションでの鍵作製はやっかいでした。金庫の4ピンより全然難しい。最近は、室内錠シリンダーでも、マッシュルームが入っているのかな。WESTは古い玄関錠でも、ピックできなくてギブアップしたことが何度かあります。

トランクルーム解錠

トランクルーム
とあるメーカーさん経由でトランクルームの会社から、解錠と交換を依頼されました。こういう電話応対は、依頼することが前提の問い合わせなので、とても気楽です。現場は八王子なので、立会人の社員さんは都心にある会社から、電車とタクシーで来た模様。かわいらしいお姉さんでした。入居者、もとい借受人というんでしょうか、借りたまま連絡不通になったドアが3箇所あるとのこと。いずれもディスクシリンダーなので、ピックは楽勝です。ノブタイプだというので、インテグラル錠かと思ったら、円筒錠でした。さすがに円筒錠を3個も在庫していないので、2個で勘弁してもらいました。
レンタル倉庫
レンタル倉庫、あるいはトランクルームを利用したことはありません。社員さんが言うには、需要は増えているとのこと。この商売は不動産とは毛色が違う気がしますが、住居を提供する商売よりもリスクは小さいんでしょうか。エアコンが効いてないので、気温26度の本日、コンテナ内部の密室空間は暑い。夏だったら、間違いなくサウナ状態でしょう。

エースキー解錠

エースキー
「金庫のまあるい鍵を開けて欲しい」との電話を受けました。メーカーはSENTRYだというので、エースキーだと確信しました。
他の鍵屋に電話したところ、「壊すしかない」と言われたそうです。自作テンションとピックを作ったことがありますが、指がつってしまうほど大変です。時間もすごくかかります。少し回すたびに引っかかるので、ピックを合計3回もしないといけません。現場では、専用ピックを使います。テンション加減が合わないのか、10分くらい時間がかかりました。内筒を90度回したままでは、キーが入らない状態です。再度逆回し90度で鍵穴をニュートラル位置に戻します。
セントリー
日本製の金庫なら、鍵の閉じこみはありえません。セントリー金庫のシリンダーはプッシュ栓錠になっており、飛び出たシリンダーを押し込みドアを閉めるだけで施錠となってしまいます。鍵屋仲間には、セントリーのアフターサービス業者として、多くのトラブルを解決している人がいます。テンキーが反応しないなどのトラブルが多く、金庫としては二流品だという意見です。ホームセンターではmade in USAの信頼ある金庫という謳い文句でよく売られていますけどね。

モドリック交換未遂

モドリック
リフォーム会社いわく「交換用シリンダーを仕入れたがシリンダーを固定できない」とのこと。マンション玄関の錠は初めて見かける、奇妙な形状の錠前です。どうやらメーカーはモドリック、イギリス製のよう。築30年でmodric採用だとは、当時は相当こだわりのある設計者だったんでしょう。シリンダー交換が当たり前になる時代が来るとは、当時は考える必要もなかったので、メンテナンス性を考慮しなかったのか。シリンダーとサムターンが一体になったユーロプロファイルというんでしょうか。シリンダーはフロントからイモネジで固定しています。
ユーロプロファイル
右が既存の、左が交換するシリンダー。似ているようで、細部はいろいろと違う。立会人が「ねじを締めることができないんだよね」と言う。調べてみると、新しい方は、イモネジを通すタップ穴の直径が大きい。穴の中心位置も少し違う。当然、シリンダーが固定できずにがたつきます。イモネジが沈まないので、アーマープレートも取り付け不可能。シリンダー取り寄せに3週間かかり、2日後には入居者に新キーを渡さなきゃいけないので、何とかしてくれと言われます。ケースを取り外し、何とか改造できないものかと考えあぐねました。ケースに穴を開けると、デッドボルトに悪影響が出る感じ。シリンダーのがたつきによってサムターンが廻ったり廻らなかったりします。改造すること自体が危険だと判断し、無理だと回答しました。
立会人が携帯で電話したらしき会社の上司と会話してくれと頼まれます。
「つまようじでも何でもいいから、がたつくなら、とにかく動かないようにしてくれよ」
随分な言い草です。素人発想の無茶苦茶な言い分ですね。イモネジが沈まないなら、切断しろ、とまで言いました。
もし固定できたとしても、開けられないトラブルが発生して大クレームとなる可能性があります。その矛先は必ず自分に来るでしょう。「後でトラブルが起きてもいいから、何とかしろよ。とりあえず、何とか鍵を明後日渡さなきゃいけないんだよ」気分が悪くなったので、
「あんたとはもう会話できない」と伝えて終了です。
仲間内に聞くと、モドリックは5年ほど前に、錠ケースのサイズもシリンダーも規格が変わったそうです。フロントサイズも全然違うので、少し大掛かりな加工工事でもしないと、鍵交換できそうにありません。

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