放置車両エブリィの鍵作成
地元の整備工場から、たまに依頼が入ります。わけありの放置車両、運転席ドアが開かないので、助手席ドアを開けてキーシリンダーを取り外したようです。なので、キーナンバー刻印はありません。実車はありません。旧型なので、ドアキーを作成すればエンジンもかかります。現行エブリィだと、イグニション追加タンブラーがあるので、無理ですね。水抜きからタンブラー5枚が見えます。スコープを使ってよくよく見るともう2枚も見えます。残り1枚は配列ルールにしたがってカットしてみたら正解でした。鍵穴を覗くことなく作成完了です。雑談で景気の話を伺うと、良くないそうです。仕事量は減っているのに、過当競争で単価は下がっているとのこと。ガソリンスタンドでも車検を請け負っているのは規制緩和によって参入障壁を下げたからなんですね。許認可制度を除けば、カギ業界の現状も似ている気がしました。構造改革やら規制緩和というのはデフレ促進策なので、インフレの時代にやらなきゃいけない。タクシー業界が酷い有様になった典型例です。構造改革が無条件に良いことだと信じた国民も政治家もお馬鹿さんでした。DelicaLeo金庫ダイヤル解錠
紹介ルートで業務用金庫のダイヤル解錠依頼が入りました。鍵屋として初の埼玉県日高市の現場です。距離は30kmくらいですが、地名がマイナーというかほとんど耳にしません。周囲は田畑や更地が多く、建物の密度の低さに驚きました。のどかで牧歌的な風景は好きなのですが、鍵屋という商売は成立し得ない地域です。中古の一軒家を購入して数年のお客さん、高さ120cmのデリカレオ金庫は購入当時から備え付けてあったそうです。重量は300kgくらいあるでしょうか。床下にはコンクリを埋めこんでいるらしい。前の住人が商売をされていたようです。ダイヤル番号は知らないまま、テープでダイヤルを固定し、KISのキーのみで使用していた状況です。そして先日、空き巣に入られダイヤルを回されたという次第です。当然解錠は出来ませんね。オートダイヤラーをセッティングして待ち時間中、物置部屋の円筒錠、これが壊れていて、交換依頼を受けます。ULW-5Eを部材代金だけ頂き、取付代金をサービスさせてもらう流れになりました。切欠きが小さいので、あちこち追加加工したのですが、加工作業でハチの群れが現れ、何度か作業中断。労力としては円筒錠取付けのほうが大きかったという、妙な金庫ダイヤル開け現場でした。ダイアラーは2時間少したったところで、ガシャッと停止してくれました。ダイヤル座を取り外して、お好みの番号に変換、操作説明をして完了です。長丁場にならなくてホッとしながら帰路に着けました。TITANキーシリンダー故障
日野市の輸入住宅、親子扉のTITANサムラッチ錠。夜の鍵交換依頼は故障が原因でした。TITANのキーシリンダーは10年ほどで内筒ごとすっぽり抜けています。前回のTITANトラブルもそうでしたが、テールを固定するスナップリングが外れやすいようです。これが外れると一体になった内筒も抜けてしまいます。日本製と違い、US製は作りが雑なんですね。同じものに交換しても寿命が短いので、WEST917ディンプルキーに交換を毎度おすすめしています。合鍵もその場でカットして完了です。キーシリンダーの耐久性は心配ないですが、チューブラデッドの劣化が気になりました。こちらのほうが先に壊れるでしょう。マンションポスト錠取付け
立川駅近くの繁華街、築30年ほどのマンション、ポストの鍵が1本もないそうです。マンション前の路上に車を停めて、駐禁を気にしながらの作業となります。最初は鍵を作るということで大体の見積もりを回答していました。鍵穴を除くと普通のシリンダー錠ではない。上下にタンブラーが4枚ずつありますが、上下に動くタンブラーではありません。手前のタンブラーを押すと、全体が前後にスライドします。びっくりです。メーカーはタキゲンあたりで出来合いキーじゃないかと思いました。とりあえず裏側のカムを外して解錠、カムロックを外して問屋さんに持ち込みます。メーカーも不明、廃盤じゃないのかと言われました。こういう金物は、名の知れていないメーカーが一時期製造していて、すでに倒産しているというケースも多くあります。肝心なのはカラーからカムまでの距離です。ダメ元で寸法の近いカムロックを2つほど仕入れてみました。この距離がぴったり合うカムロックがありました。でもシリンダー外径が大きいので、穴を広げる加工をします。ヤスリの切削音が、ギーコギーコと、マンションロビーに反響します。不快だけど、これを乗り越えないと取付け出来ません。鍵屋13年でポストカムロックの加工取付けというのは初めてでした。






