URのオーバーホール
国立市、プレハブ事務所。「折れた鍵を抜いて欲しい」という依頼です。本締錠BHのシリンダーを自力で外そうとした形跡があります。イモネジが緩んでおり、かなりの力でシリンダーを回そうとしたんでしょう。すでにテールピースがぐんにゃり曲がっています。チャレンジャーだね。錠ケースのダルマ強度が、テールより強いってことは大事だな。でないとケースが壊れてしまう。折れたキーヘッドを差し込んでも内筒が回転しません。内筒に残った鍵は正解位置より奥へ移動しており、手前に引き出すことができません。テールを潰してシリンダーを外します。レディーメイドのドア、ブロンズの玉座と同一キー。鍵が変わると、SECOMへの手続きが面倒だといいます。URシリンダーを修復します。
お尻の台座が衝撃で割れました。台座は現在も鋳物ですね。台座置き換えはU9用でよいかと思ったら、UR用とは異なります。キーウェイが違うからね。TOSTEM戸建シリンダーH759タイプの引取り部材が車内にありました。当初は、曲がったテールピースと台座だけ置き換えるつもりでした。ところが、分解してみると、スプリング、ガイド、ロッキングバーすべてがベトベトです。汚れの付着も大量です。調子が悪いからと、CRC556を吹き付ける人、本当に多いですね。CRC556が原因でさらに渋くなり、鍵が折れたんじゃないでしょうか。さらに、シアラインが若干ずれているタンブラーもある。磨耗が激しい。こうなったら、極力長年使えるようにと、純正キー配列に合わせて、内筒すべてのパーツを置き換えました。現在は本締錠だとDAが標準品です。DAであれば、お客さんは自分で解決できていたのかも知れないなあ。