知り合いの玄関開け
かつての知り合いから電話が入りました。鍵屋でメシが食えない時代に、レンタカーの深夜バイトをしていました。彼はバイト先の後輩です。「藤原さんて、まだ鍵屋やってるんですか?」鍵屋をはじめた頃の知り合いから、たまに電話が来ると、たいていこういう質問になる。少しがっくりする。いつ廃業してもおかしくないと思われてるのか。玄関の鍵を開けて欲しいそうだ。国分寺のアパートに向かう。狭い路地に車を停める。「知り合いだから、通常料金の2割増しでいいかな」と言ってみた。冗談が通用する相手、にやりとしている。変に律儀なところがある彼は「鍵開けるところ、み、見ていいんですかね?」「あっ俺、車を見ておきますね。」別に、見られても一向に構わない。でも鍵屋さんの中には、見ないように告げる人もいます。玄関開けたら、ゴミ屋敷。今は何をしているかと聞いたら、車業界のフリーライターだという。まったく未知の業種。見たところ、決して羽振りは良くないが、以前からやりたいと言っていた仕事に就き、なんとか実現させている。もう少し、じっくり話しをしたかったのに、別の緊急仕事が入ってしまい、即退散となりました。