オプナスの鍵空回り
「オプナスの鍵が空回りする」という症状は何度も依頼を受けています。施錠できないので、お客さんが出勤できないそうです。(あーまた、LSPだろうなあ)と思いつつ現場の玄関ドアを確認します。思ったとおり、MMXシリンダーのテールが錠ケースのダルマに届かない状態です。交換は大手管理会社の社員が行うのでしょう。中途半端な鍵交換をすると、こういうトラブルを引き起こします。オプナスLSPのシリンダーは他社製と大きく異なる点があります。シリンダー側からオネジが出ており、サムターン側からパイプ状のメネジを締めます。ビス露出型サムターンの場合、通常のシリンダーに交換するとなると、M5ロングで頭の小さくて低いビスが必要になります。お客さん、誰かにいたずらをされたのではないかと不安だと言います。なぜこうなったのか、メカニズムをきちんと説明したら理解してくれました。
お客さんによく勘違いされるのですが、私は大手管理会社の社員ではありません。下請けの鍵屋ですよ、と伝えます。話がいろんな方向へ飛び火していくうちに、路上駐車の車が気になり始めました。法改正されていない3年前なら、もっと気長に会話を続けるんだけどね。なるほど、駐車禁止の厳罰化は、人間同士のコミュニケーションまでドライにしてしまう。地方都市では居酒屋などの飲食店営業がずいぶん厳しくなったと聞きます。行き過ぎた法改正は、人間関係の潤いをなくし、希薄化させていくこともあるのだと感じます。