CLOVER引出錠カギ作
「ショーケースのカギ」と言われたときは、外付けのスライディングロックを想像していました。物流会社の倉庫に到着して現物を見ると、立派な家具です。貴金属や腕時計を展示するショーケースのようです。同一キーのシリンダーが4箇所あります。鍵穴部分には、CLOVERという刻印はあるけど、キーナンバー刻印はない。お客さんがメーカーに問い合わせても、キーナンバー不明なので、埒が明かないとのこと。4ピンですが、キーウェイからしてディンプルキーになります。スライディングロックなら、ディンプルでも最悪破錠、交換すればいいと考えていました。しかし、4箇所とも解錠・交換となると最初に伝えた料金とかけ離れてしまいます。
ディンプルキーの紛失作成は、刻みキーよりやっかいで、というより通常できません。これは、一般の人に説明しても、なかなか理解してもらえません。お客さんは、通常のギザギザだったと言いますが、100%ディンプルです。素人のうろ覚えは、まったく意味がない。とりあえず小さなF版ブランクを加工して、幅・長さ・厚みを鍵穴に一致させます。精度の高くない4ピンだったので、目見当で少しずつ、ディンプルを掘り進めながら、何とか廻る鍵を完成させました。意外と楽しい作業でした。自転車もディンプルキー採用が多くなっています。これくらいの簡素なディンプルキーなら、今後現場で作成することが増えるかも知れません。