テンキー金庫の通電不良
現場付近には、お客さんの苗字の表札が何件もあります。田舎ではよくあることでしょうが、武蔵村山にもこういう地域があるんですね。現場近くのはずなのに、周囲をグルグル10分も迷走することは、よくあります。「鍵もある、ダイヤル番号も分かっているのに金庫を開けられない」そうです。お客さん宅に上がりこんで、現物を確認。これは、テンキー式金庫なのですが、”ダイヤル”と表現する人は時々います。3日前には、ボタンが反応してドアを開けることができたそうです。電池を新品にしても、反応音が出ません。92年製なので、基盤がいかれていてもおかしくはない。電池を入れ替えて、ボタンを押すと、たまに小さな音が出る。暗証番号を押すと、かすかにジーとソレノイドを動かそうとする音がします。音量は妥当なのに、開けられないなら基盤が故障だと判断するのですが、どうもこれは電圧が不足しているのではないか、と想像してしまいます。電池の端子を見ると随分錆びている。通電が不十分じゃないのかな。クリクリっと触りながら、再度暗証番号をプッシュ。ジー音・・・シリンダーが廻った。ドアを開けた後、お客さんに事情を説明しながら、端子を外すと、配線がプッツリ切れた・・腐食してますね。もう、ソレノイドは端子を修理しないと動かない。運がいいのか悪いのか。最後の力を振り絞って、ソレノイドが動いてくれました。ご主人が、弱電工事に強いようで、自分で端子も交換できると言います。鍵師としては、不完全燃焼の作業となりました。