玄関ドア解錠の込み入った事情
若い女性から玄関開けの依頼を受けて八王子のマンションに到着。「子供もいるので早く来てください」と言われたが、玄関ドア前には、年配の女性しかいない。聞くところによると、この人は依頼者のお母さんです。依頼者は出産して退院のため、地方から上京してきたお母さんと赤ん坊と一緒にタクシーに乗って自宅までやってきた、ところが鍵を入れたバッグを旦那さんに渡していたことに気づき、鍵屋を依頼したようです。旦那さんは仕事中で帰宅できず、鍵屋を待つまでの間、真冬なみの寒空の下、戸外で待つこともはばかられる。そこで、またタクシーでいったん病院まで戻り、お母さんだけが玄関に立ち会っている、という状況をようやく理解できました。どうみても善良なお母さん、そして娘の母子健康手帳も持っている。しかし、鍵屋として主観はできるだけ排除しなければならない。居住者が立ち会うことなく解錠作業を開始するのもモラルハザードです。そこで本人に連絡を取ってもらい、また自宅へ向かってもらうように伝えます。依頼者が到着してから解錠作業を始めると、この気温では赤ん坊が心配なので、到着時には玄関ドアが開いているようにすることも伝えました。解錠後、滋賀から上京してきたお母さんと会話しながら玄関ドア前で待ちました。所要時間50分のうち作業時間は5分。こりゃまいったと思いながらも、娘さんに感謝されて、こちらも嬉しいです。