住宅

MIWAディスクシリンダーは廃盤

MIWAキースイッチ
不動産屋さんからの依頼で所沢の賃貸マンションに行きました。「オートロックに合うように鍵交換をしてほしい」とのこと。不動産屋さんは物件名と住所を伝えれば、注文できると思っていたようです。実際にはドアの厚さ、錠の種類、キーの種類、色、さらに出来れば参考キーナンバーが必要です。結局、鍵屋が一度現場で確認する必要があります。逆マスターキーシステムですから、現場調査した上で、納期1月になる旨を伝えました。物件のキースイッチを見ると、MIWAディスクシリンダーです。これは廃盤なので、玄関とキースイッチのキーの種類を統一することが出来ません。実は、裏技を使うことが許されるならば、タンブラーを組み替えて、鍵違いの共有シリンダー合わせで鍵違いを作ることはできます。しかし、道義的、防犯的な問題が残ります。事情を不動産屋さんに説明して、玄関は個別のU9シリンダーを交換しました。今までのキーは、キースイッチで、新しいキーは玄関で使用し、どうしても2本を使い分けることになります。
ピッキングポスター
今回は、売上げになったからいいですが、先日は遠方へ向かい、個人客に同様の説明をしたところ、「鍵が1本にならないなら結構です」という結末でした。現在のキーがMIWAディスクかどうか、これを電話口で把握できればいいのですが、一般人には区別が付かないので、どうしようもありません。無駄足の現場が増えてくるようなら、一度画像をメール送信してもらう方法がいいかな、と考えています。さて、マンションの倉庫ドアに”ピッキング被害”に気をつけるよう謳ったポスターが貼ってあります。これは確か8年ほど前に、よく見かけた警視庁作成の防犯啓蒙ポスターです。懐かしい。でも、この物件を見たところ、全部の部屋が簡単にピックできるMIWAディスクなんですよね。笑ってしまいました。

玉座の暴力破壊

玉座破壊
電話で聞いた内容は「鍵が開かなくて、警察官が立ち会っている」でした。(錠の故障なのか?なぜ警察官がいるのか?)疑問に思いながら、25時過ぎ、八王子のアパートに到着しました。ちょうど、5人ほど警察官が現場検証を終えて帰るところでした。玄関ドアを見てびっくり・・・玉座が破壊されている。犯人は近くにあった消火器でノブを破壊したらしい。警察官が付着した指紋を採取したそです。ステンレスのめくれかたを見ると、他の工具も使った模様。不思議なのは、ここまで破壊しておいて、部屋に侵入されていないことです。ラッチを引っ込めるメカニズムが分からなかったのか。第一、これだけの破壊音を立てておいて、目撃者はいないのか、など多くの疑問が残ります。
室内ノブ
地元大手の不動産が管理する物件でよく見かける玉座ですが、日本製ではないようです。依頼人に純正キーを見せてもらうと、DONG SUNGと刻印があります。シナ製かコリア製か。ステンレスが薄く破壊には弱そうです。そもそも玉座自体が破壊には弱い。依頼人は、最近上京して専門学校に通っているという青年です。帰宅したときに、この状態では、激しく動揺するでしょう。ずっと不安そうな表情でした。あまりにも大胆な暴力破壊です。あきらかに治安が悪くなっている。こういう場面で毎回思うのは(日本人の犯行なのだろうか?)という疑問です。日本人がここまで図太い犯行が出来るのか。八王子は外国人留学生が多いからねえ。外国人の大半は特アです。特アの民族が入居して依頼、いろいろ事件が起きるようになった、と言っていたお客さんに何度か遭遇しています。

ATOMサムラッチ錠鍵作成

ATOMサムラッチ
古い戸建の競売物件です。リフォームが完了して転売する段階で、鍵をなくしてしまったようです。築年数が古いだけあって、廃盤の
ATOMサムラッチ錠が付いています。ディスクシリンダーなので、MIWA同様クラッチ機構を考慮した解錠を行います。さて、交換するとなると、錠前セットで加工も必要となります。キーシリンダー部分のみの交換が出来る場合に比べて金額が3倍以上となります。
ディスクシリンダー
不動産屋さんの要求はいつも安く解決することなので、鍵作製を行うこととなります。ATOMのブランクなんて持っていないので、困りましたが、MIWAディスク用のブランクがフィットするので安心。苦労してシリンダーを取り外しましたが、お尻を見ると分解できないようです。いや、かしめた部分を剥がして元に戻すことは可能でしょうが、相当な手間がかかるでしょう。鍵穴から覗きとインプで作成しました。

室内錠の鍵作成

シリンダー付間仕切錠
現場はNPOの新築宿舎のようです。室内の鍵をなくしたので、鍵を作成してほしいとのこと。在庫しているシリンダー付き間仕切り錠ならセットで交換できますが、他の部屋の錠と見た目が変わってしまいます。間仕切り錠は、シリンダーのみの取り寄せができないので、交換となると玄関シリンダーよりも割高になると思います。
WESTピンシリンダー
刻印が見当たらないので、OEM製品でしょう。とりあえずシリンダー部分を外して、車に持って行きます。キーウェイを見るとWESTかなと思ったら、そのとおりでした。どうやらシリンダー自体が分解できないようです。3ピンとはいえ、インプレッションでの鍵作製はやっかいでした。金庫の4ピンより全然難しい。最近は、室内錠シリンダーでも、マッシュルームが入っているのかな。WESTは古い玄関錠でも、ピックできなくてギブアップしたことが何度かあります。

モドリック交換未遂

モドリック
リフォーム会社いわく「交換用シリンダーを仕入れたがシリンダーを固定できない」とのこと。マンション玄関の錠は初めて見かける、奇妙な形状の錠前です。どうやらメーカーはモドリック、イギリス製のよう。築30年でmodric採用だとは、当時は相当こだわりのある設計者だったんでしょう。シリンダー交換が当たり前になる時代が来るとは、当時は考える必要もなかったので、メンテナンス性を考慮しなかったのか。シリンダーとサムターンが一体になったユーロプロファイルというんでしょうか。シリンダーはフロントからイモネジで固定しています。
ユーロプロファイル
右が既存の、左が交換するシリンダー。似ているようで、細部はいろいろと違う。立会人が「ねじを締めることができないんだよね」と言う。調べてみると、新しい方は、イモネジを通すタップ穴の直径が大きい。穴の中心位置も少し違う。当然、シリンダーが固定できずにがたつきます。イモネジが沈まないので、アーマープレートも取り付け不可能。シリンダー取り寄せに3週間かかり、2日後には入居者に新キーを渡さなきゃいけないので、何とかしてくれと言われます。ケースを取り外し、何とか改造できないものかと考えあぐねました。ケースに穴を開けると、デッドボルトに悪影響が出る感じ。シリンダーのがたつきによってサムターンが廻ったり廻らなかったりします。改造すること自体が危険だと判断し、無理だと回答しました。
立会人が携帯で電話したらしき会社の上司と会話してくれと頼まれます。
「つまようじでも何でもいいから、がたつくなら、とにかく動かないようにしてくれよ」
随分な言い草です。素人発想の無茶苦茶な言い分ですね。イモネジが沈まないなら、切断しろ、とまで言いました。
もし固定できたとしても、開けられないトラブルが発生して大クレームとなる可能性があります。その矛先は必ず自分に来るでしょう。「後でトラブルが起きてもいいから、何とかしろよ。とりあえず、何とか鍵を明後日渡さなきゃいけないんだよ」気分が悪くなったので、
「あんたとはもう会話できない」と伝えて終了です。
仲間内に聞くと、モドリックは5年ほど前に、錠ケースのサイズもシリンダーも規格が変わったそうです。フロントサイズも全然違うので、少し大掛かりな加工工事でもしないと、鍵交換できそうにありません。

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