モドリック交換未遂
リフォーム会社いわく「交換用シリンダーを仕入れたがシリンダーを固定できない」とのこと。マンション玄関の錠は初めて見かける、奇妙な形状の錠前です。どうやらメーカーはモドリック、イギリス製のよう。築30年でmodric採用だとは、当時は相当こだわりのある設計者だったんでしょう。シリンダー交換が当たり前になる時代が来るとは、当時は考える必要もなかったので、メンテナンス性を考慮しなかったのか。シリンダーとサムターンが一体になったユーロプロファイルというんでしょうか。シリンダーはフロントからイモネジで固定しています。
右が既存の、左が交換するシリンダー。似ているようで、細部はいろいろと違う。立会人が「ねじを締めることができないんだよね」と言う。調べてみると、新しい方は、イモネジを通すタップ穴の直径が大きい。穴の中心位置も少し違う。当然、シリンダーが固定できずにがたつきます。イモネジが沈まないので、アーマープレートも取り付け不可能。シリンダー取り寄せに3週間かかり、2日後には入居者に新キーを渡さなきゃいけないので、何とかしてくれと言われます。ケースを取り外し、何とか改造できないものかと考えあぐねました。ケースに穴を開けると、デッドボルトに悪影響が出る感じ。シリンダーのがたつきによってサムターンが廻ったり廻らなかったりします。改造すること自体が危険だと判断し、無理だと回答しました。
立会人が携帯で電話したらしき会社の上司と会話してくれと頼まれます。
「つまようじでも何でもいいから、がたつくなら、とにかく動かないようにしてくれよ」随分な言い草です。素人発想の無茶苦茶な言い分ですね。イモネジが沈まないなら、切断しろ、とまで言いました。
もし固定できたとしても、開けられないトラブルが発生して大クレームとなる可能性があります。その矛先は必ず自分に来るでしょう。「後でトラブルが起きてもいいから、何とかしろよ。とりあえず、何とか鍵を明後日渡さなきゃいけないんだよ」気分が悪くなったので、
「あんたとはもう会話できない」と伝えて終了です。
仲間内に聞くと、モドリックは5年ほど前に、錠ケースのサイズもシリンダーも規格が変わったそうです。フロントサイズも全然違うので、少し大掛かりな加工工事でもしないと、鍵交換できそうにありません。